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立原正秋と浜田庄司
今、立原正秋の随筆を読んでいるが、その中に「日本の民藝運動は(中略)柳宗悦が唱えたが、河井寛次郎で終っている」という1文があって「わが意を得たり」の心地がした。
立原正秋と自分を瞬時でも同列にしようなどと不遜な気持ちはもとよりないが、目利きと言われる人の言だ、背中を押してもらったような気持ちになる。

うちにも、立原正秋がこきおろした浜田庄司の器がいくつかあったけれど、好きじゃないから、ヤフオクでほぼ売りさばいてしまった。箱書きのない皿やクリーマーなどだ。箱書きがなくてもまぎれもない本物だったから、1000円スタートでけっこう競り上がった。
私はやっかい払いしたような心持ちだったが、買ったほうにしたらずいぶん安値で入手できたと思う。
店を始める前のことだ。もっとも、うちのごたごたした店内にあったら、1枚500円でも売れなかっただろう。なにしろ「馬子にも衣装」の逆の店だからね。

なぜ好きじゃないかというと、きれいな使いみちをどうしてもイメージできなかった。普通の形の皿なのに、お造りもステーキも煮物も、すべての料理をはねつけてしまうのだ。使えない器の存在理由はどこにあるんだろう? あれを観賞用と思える人はどうぞご勝手に。

同じ本の中に、藤沢で援交女子高生に出会った話がある。ほぼ30年前の話だから、その女子高校生も母親になり、同じようにしょうもない子どもが育っているのかと思うと、うんざりする。現代の格差社会もなるべくしてなったのかもしれないなどと考えた。
| hirao | 01:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
日本は豊かか
数週間前のNHKスペシャルの番組「ワーキングプア」観ました?
私、がーんとショックを受けた一人です。
日本は働く意欲さえあれば、なんとか食べることはできる社会だと思っていたのです。
それが、働きたくても仕事に恵まれず住む場所もない若者や、3つの職場をかけもちで働いても年収300万円未満のお父さんとか……いるのですね。不明を恥じました。そして「海外で躍っている場合じゃないだろー! 小泉」と叫んでおりました。

『AERA』にフリーターに住まいを提供し、仕事を斡旋する会社の社長(元フリーター)の記事が掲載されていました。事業モデルとしても成功しており、現在は山手線沿線に21か所の宿泊所があるとか。

大型公共事業を否定するわけではありませんが、そういうテメエの得にならないことも、国家事業として手がけてほしいもの。でも、国家がやると、またぞろおうへいなお役所仕事になったりして……。

いくら「生めよ増やせよ」と言ったって、人的資産を生かすことができなければ国は滅ぶよ。それで一部エリートだけがのさばる社会になるって?
お隣にもそんな国があったようななかったような……。
| hirao | 12:55 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
蛍盛衰
一泊で郷里に帰っていた。
源氏蛍で有名な土地で、家から車で4、5分のところに、観光客も来るスポットがある。
6月の10日過ぎから30日ごろまでは、ホタルがもっとも多く飛び交う時期。
今年はとりわけ多いと聞いて行ってみた。
川端に、漆黒に沈む山を背景に青い光がいくつも明滅している。
観光客の女性2人連れが「ツリーみたい」とつぶやいたあとは無言で見守る。

しかし、子供のころの狂おしいほどのホタルを見た目にはなんともさびしい。
手をのばしてひとつかみすれば、数匹のホタルが掌でホウッと光っていた。
それだけのホタルがいつしかハタといなくなり、近年になってようやく復活しつつある。
皮肉なことに、減反と歩調を合わせるようにだ。
農薬が使われなくなったから。

荒れ田の数が毎年のように増えていく。
そもそも圃場整備は多大な国家予算と農家の拠出金で、
「将来の大規模農業のために」と日本全国で行われた大工事だった。
その工事で春の小川が消え、あぜ道のサワオグルマやハッカ、ウツボグサなどの野草も姿を消した。
メダカやサワガニもいなくなった。
山里で大規模農業などしょせんたかがしれたこと。
うるおったのは土木業者のみだろう。
整然とした荒れ地を見るたびにやりきれない気持ちになる。

減反でホタルは増えたかもしれない。
夏の草いきれの中で咲いていたカワラナデシコやヤブカンゾウが荒れ地に戻ってくる日は来るだろうか。
ホタルが生きられないような国で人は生きられると、過信しないほうがいい。
命あるものすべては自然の中で連鎖しており、
人間だけが例外ではあり得ないのだから。
| hirao | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
人間万事塞翁が馬
「人間万事塞翁が馬」ということわざがある。
「禍福はあざなえる縄のごとし」ともいう。

車が壊れて3か月になる。
車のない生活は考えられないと思うほどだったのに、
なくなってみると存外なくてもいいもんだ。

駐車場にごたごたと商品を置いていたら、
お客さんが入るようになった。
「ここお店だったんですか?」「いつ開店したんですか?」
(1年前からいちおう店していたんですが)
よく歩くようになり、体調もいいようだ。

とはいえ車も必要なので物色しているが、買いたい車がない!
いや、jaguarやBMWやアルファロメオのオープンカーは好きだ。
だが今買うべきなのは「荷物が積めて」「頑丈で」たぶん燃費もいい車なのだ。
そんな車はデザインがイヤ。イヤなものを高い金を出して買いたくない。

「用の美」という。日常の品はほとんどそうだと思う。
しかし、美しいものは実用的でないことも、えてして多い。
車しかり、女性しかり。

実用的でない美を所有できるのは、特権階級なのだろう。
| hirao | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
ハロン湾茶色い喧騒
昨年ハノイに出かけた。事前のリサーチでは世界遺産に指定されたハロン湾が「ハロン湾翡翠の静寂」と魅惑的な惹句で取材されていたものだから、短い旅程の中、無理をして行きましたとも。
片道2時間半。のどかな田園地帯をひた走り、すいかを満載した列車を追い越し、なんとなく海の近くに来たような。しかし、これはなんだ? 広大な田んぼのようなこの荒れた水浸しの土地は。海岸に着くとそこは押すな押すなの人込み。海はといえばこれまた遊覧船が押しずしのようにひしめいて、湾に出るのに何隻に体当たりしたことやら。
海は...美しかったのだろうと思う。工事の泥が流れ出し、茶色くどんよりとし、鍾乳洞はセメントで固められていた。

「世界遺産になると、どこもだめになっていくんや。例外はない」と、日本のある地域の世界遺産登録を阻止しようとしている人がいた。「こんなことしてもなるんやろうけど(世界遺産に)」ともその人は言った。

ガイドの人は「今あちこちにホテルを作っているんだ」と期待を込めて語る。どちらの気持ちにも共感できるが、失われた自然はおいそれと取り戻せない。残念だ。

しかし、それから数ヶ月してベトナムから帰った人が「ハロン湾がよかった」と言っていた。ということは「翡翠の静寂」を取り戻せたのだろうか?

ベトナムの人たちならできるのかもしれない。根拠もなくそう思った。
| hirao | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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店主紹介

平尾健二(ひらおけんじ)
東京都出身。多摩美術大学卒業後
積水化学工業デザイン部門に勤務。
古民家を入手し
別荘として改築したことで、
日本の文化、古民具に目覚める。
民家の移築建築相談承ります。
古建具や建材の在庫あります。

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