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ハロン湾茶色い喧騒
昨年ハノイに出かけた。事前のリサーチでは世界遺産に指定されたハロン湾が「ハロン湾翡翠の静寂」と魅惑的な惹句で取材されていたものだから、短い旅程の中、無理をして行きましたとも。
片道2時間半。のどかな田園地帯をひた走り、すいかを満載した列車を追い越し、なんとなく海の近くに来たような。しかし、これはなんだ? 広大な田んぼのようなこの荒れた水浸しの土地は。海岸に着くとそこは押すな押すなの人込み。海はといえばこれまた遊覧船が押しずしのようにひしめいて、湾に出るのに何隻に体当たりしたことやら。
海は...美しかったのだろうと思う。工事の泥が流れ出し、茶色くどんよりとし、鍾乳洞はセメントで固められていた。

「世界遺産になると、どこもだめになっていくんや。例外はない」と、日本のある地域の世界遺産登録を阻止しようとしている人がいた。「こんなことしてもなるんやろうけど(世界遺産に)」ともその人は言った。

ガイドの人は「今あちこちにホテルを作っているんだ」と期待を込めて語る。どちらの気持ちにも共感できるが、失われた自然はおいそれと取り戻せない。残念だ。

しかし、それから数ヶ月してベトナムから帰った人が「ハロン湾がよかった」と言っていた。ということは「翡翠の静寂」を取り戻せたのだろうか?

ベトナムの人たちならできるのかもしれない。根拠もなくそう思った。
| 折々思う | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
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